現在開催中のユニバーシアードの10000mポイントエリミネーションで4位入賞の川畑君。3位との差はたったの1点!メダルに届きそうです。
スクラッチレース準決勝はユニバーシアード4位、世界選手権10位の優勝候補大本命の川畑君。胸を借りるつもり、、?いやいやそれでも勝つつもりで臨んだレースでした。
強打した左腰も日本トップクラスの是津君に勝利し、問題無く動けると自信がついてきたようです。
スタートはアウトコース。コーナー入口で並び強引に先を取ろうとし接触。若干バランスを崩している間に上の写真程の距離をあけられてしまいます。普通はここで焦ってインへインへと近道をしてしまうのですが、冷静にアウトコースへと回りました。遠回りにはなるのですが、加速ができるからです。
この距離があって、あえてアウトコースを選ぶのは実は勇気がいるんですよ。
必死に追いかけるもラスト一周の200m。まだまだ差が縮まりません。両選手とも必死です。この周回は二人ともアウトコースを選択。そして、次のコーナーの出口で背後から追いかける加藤君が一気に差を縮めてきます。そして最終直線、二人の差は無くなります。
コーナー出口前。アウト川畑君はコース中央、イン加藤君はラインぎりぎりのコース。
コーナー出口直後アウト川畑ひきつづきクロスしコース中央、イン加藤で既に直線の動作に。
二人とも直線の動作に。
加藤君がだんだん追いついてきました。
ほぼ並んでいます。川畑君はコーナー出口よりもイン側に寄っているように見えます。
完全に並びました。
このあたりで接触が..
バランスを崩してしまいます
再び差が広がります。
バランスを立て直すも…
再び追い上げ態勢に入るも、力及ばずゴールしました。
写真で見るとコーナー出口でコース中央だった川畑君がイン方向へ向かっているように見えます。川畑君本人も自覚があったようでレース終了後の待機所でも言っていましたが、そこは審判の判断を待ちます。
審判長が直線の審判と協議をしているようで、結果発表まで若干の時間が有りましたが、判定は「セーフ」。問題無しとの判断が下されました。
私見ですが、写真で見ると確かにインへよっているように見えますが、流れで見てると明らかな反則という感じではなく、審判次第だなという印象でした。少しの斜行を厳しく取る審判もいれば、これ位の接触では問題なしと判断する審判もいるからです。
もしかすると、スタートでの接触とで相殺されたのかもしれません。サッカー等のジャッジでもありますが、この競技もコンタクトがあるスポーツなので、全体を見てジャッジされる事が有ります。
しかし、中学校2年生の加藤君が世界トップレベルの川畑君をギリギリまで追い詰めたという点は変わらず、素晴らしいレースをしたと思います。レース後、川畑君に加藤君について聞いてみました。「僕が思うに成長期にどんどん速くなっていくのは当然。でも、成長期が止まった時に必ず伸び悩む時期がきてしまう。なので、スケート技術を更に磨いていけばもっと上に行けるようになる」との事でした。
3位決定戦は座間VS加藤。
加藤君はスタートはアウトコースだったのですが、前をとる事ができました。おお!これは、、!このリンクはコーナーがきつめなので先にインさえとってしまえば簡単には抜かれない。そう思っていました。
写真はスタートから70m地点ですが、まだ加藤君がリードしています。しかしコーナーの入口では抜かれてしまいます。そしてインでスピードが抑え気味だった加藤君に対し、アウトコースから来た座間君の方が圧倒的なスピードをつけ、そのまま大きく差を開けました。
その後は焦りなども有り差は縮まらず、そのままゴール。アウトコースから抜かれてしまう程の力の差が有りました。
レース後、座間君から加藤君に。「どんぶり3杯飯を喰え!」とのエールが。体を大きくする事はこの時期にしかできない、食べる事も練習という事なのです。
上位進出者は代表合宿等である程度滑り慣れているリンクに対し、加藤君は当日入りの初めて滑るリンク。そして、転倒し病院に行かなければならない程のケガをするという悪条件の中でも勝ちにこだわり、大きく成長させてくれた大会になりました。